上野恩賜公園(東京)
誰もが知ってるお花見の名所
- 3月下旬~4月上旬
- 名所
- 夜桜
- 駅近
- 全国7位
- ★★★★☆10
不忍池の桜を眺めながら、畳の敷かれた小上がりで火鉢を囲む。東京上野・不忍通りの路上で、そんな新しい体験が楽しめる。開催日は2024年3月23日、24日、30日、31日の週末4日間。「桜日和の和めぐり広場」と題して、界隈ならではの食とワークショップの空間が設えられる。
東京都や警察の許可を得て、普段柵で仕切られていて使われていない歩道上の一角を地域の魅力発信スペースとして活用することを目指した「不忍通りほこみち社会実験」とも位置付けられた取り組みとなる。普段は少し敷居が高い和小物のお店や食事処、甘味処の店舗と連携・協力し、新しいストリートの楽しみ方が実験される予定だ。
東京上野・不忍池の南側には、江戸時代から寛永寺の門前町、花街として栄えた界隈が広がる。文豪や芸術家に愛された老舗店が、今でも数多く息づいている。ここで地元の有志や東京大学大学院都市デザインが連携して進めているのが、“池とまちをつなぐ“をコンセプトとしたまちづくり。特に、不忍池脇を通る「不忍通り」をより豊かなパークサイド空間に転換することで、不忍池を訪れる方々に地域の歴史文化や商いの魅力を伝えたいと考え、2021年春からプロジェクトが進められてきた。昨年は文豪に愛された界隈という歴史をヒントに、路上でブックカフェを設置するイベントおよび社会実験を実施し好評を博したが、この春は新たに「和」をテーマに据え、より地元らしさと季節感を表現することとなった。
かねてから和を生かしたまちづくりを推進してきた「きもの池之端藤井」の藤井裕美子さんは「和にまつわる体験や食を通じて、この界隈に根づく本物の和文化の魅力を知って頂けたら嬉しい。近隣の方から伝統文化に関心のある方、海外の方まで、色々な方に足をお運び頂きたい」と話している。
今回企画のシンボルとなるのが、歩道上に出現するおよそ4m四方の小上がりスペース。スペースには畳も敷かれ、さらには味わいのある長火鉢を設置予定。炭火で、暖をとることはもちろん、お団子などを焼いて楽しむこともできそうだ。
4日間の会期中は、毎日複数の「和」をテーマにしたワークショップが予定されている。池之端仲町で江戸時代から営む「有職組紐道明」の組紐体験、「きもの池之端藤井」による帯結び体験のほか、投扇興体験や箏と尺八の生演奏が行われる時間帯も。注目は、湯島を拠点に活動する書画家・うどよしさんによるプログラム。書画体験とお味噌汁づくりを掛け合わせた“み書汁”なるオリジナル企画を予定。いったいどんな新体験となるのか、楽しみだ。
うなぎで知られる老舗の「伊豆榮」、湯島の名店「割烹 松浦」、湯島天神お膝元の「喫茶・御菓子司 つる瀬」なども時間限定で出店し、界隈ならではの味を提供してくれる予定となっている。
地元は、兼ねてから今回会場となる歩道の余地空間が、日常的に賑わいや文化情報発信の拠点になっていくことを期待している。「桜日和の和めぐり広場」は、「不忍通りほこみち社会実験2024年春」を兼ねており、2020年に創設されたばかりの新制度「歩行者利便増進道路(通称:ほこみち)」の指定を目指した取り組みとなっている。ほこみち制度は、地域を豊かにする歩行者中心の道路空間の構築を目指すもので、指定を受けた所定の区域では、今までより柔軟な道路占用が可能となる。不忍通りでは昨年秋にも「不忍通り“三角広場”日替りブックカフェ」がほこみち社会実験として開催されており、今回が2度目の実験となる。
上野地区では不忍通りに隣接する「仲町通り」が先日、区道一番乗りでほこみち指定を受け、テラス席の運用が始まったばかり。今後、隣接エリアとの連携を深めながら、上野・しのばずエリアの回遊性を高めていくことを目指している。
※来場無料
※雨天および荒天時中止の場合あり
※本社会実験は東京都・警察の道路占用・使用許可を得て開催します
主催:上野元黒門町会/しのばずいけまち研究会/池之端仲町商店会
協力:株式会社 伊豆榮/大島歌織/割烹 松浦/喫茶・御菓子司 つる瀬/きもの池之端藤井/しのばず和めぐりの会/書家うどよし/東京大学大学院都市デザイン研究室/日本の調べ実行委員会/有職組紐道明(五十音順)
後援:台東区