花火競技大会と普通の花火大会はどうちがうの?楽しみ方をご紹介!

花火大会は大きく分けて2種類あります。1つはお馴染みの「花火大会」。もう一つはルールの元得点を競う「花火競技大会」。今回は加藤煙火株式会社・加藤克典様ご協力のもとインタビューし、その違いと楽しみ方を教えていただきました!

おなじみ!よく知ってる花火大会

諏訪湖祭湖上花火大会(長野)

第75回諏訪湖祭湖上花火大会

1949(昭和24)年、終戦後の混乱が続くなか、市民が明るい希望を持ち一日も早く立ち直ることを願って始められた花火大会。信州はもちろん、全国でも屈指の規模を誇っている。この大会の見どころは、諏訪湖ならではの轟と煌めき。特に水上スターマインは水面ぎりぎりで披露されるため水上に半円の花が咲いたようになる。湖面が鏡の役割をし、映し出された半円の花火とつながり、まるで一つの円のように見える。

開催日:2023年8月15日(火)
場所:長野県諏訪市

普通の花火大会では、私たち花火演出家は花火大会にお越し頂く地域の方々に向けて花火大会をつくります。そこには、老若男女問わず、多くの方がいらっしゃいます。少しでも多くの方に楽しんで頂けるよう、抑揚をつけながら、花火大会全体を通した驚きと感動を心がけて演出します。そのため、誰が観ても楽しいのが、普通の花火大会だと言えます。

花火競技大会って普通の花火大会とどう違うの?

全国花火競技大会「大曲の花火」(秋田)

第95回全国花火競技大会「大曲の花火」

1910(明治43)年に始まり、途中一時中断はあったものの、今回で95回目の開催となる「大曲の花火」。ここで行われる「全国花火競技大会」は、いわば花火師日本一決定戦。内閣総理大臣賞や経済産業大臣賞、文部科学大臣賞、中小企業庁長官賞、観光庁長官賞など数々の賞が授与されることから、全国の花火師たちの目標となっている。一流の花火師が熱く燃える花火芸術の最高峰をこの目で確かめてみたい。なかでも、注目の大会提供花火「ワイドスターマイン」は、1年をかけて製作するという力作だ。

開催日:2023年8月26日(土)
場所:秋田県大仙市大曲

一方で、花火競技大会では、花火の大きさや数量、打上げ時間などのルールが設けられており、参加している花火業者はそれに従い、高得点を出せるように花火を打上げます。最大の特徴は、花火が打ち上げられる度に出品業者が紹介される点です。
競技大会では各社がとっておきの花火を持ち合うので、技術力の高い様々な花火を観ることができます。しかし、同じルールに則って何社も花火を打上げるので、花火大会全体の進行が単調になりがちという弱点もあります。

競技大会・普通の花火大会のそれぞれの楽しみ方

一度観たら忘れられない!有料観覧席での花火鑑賞

実は、2時間にも及んで花火を打上げ続ける「花火大会」というものは、日本にしか存在しません。普通の花火大会は、日本の伝統文化でもあります。そのため、日本人の皆さんが良くご存知の方法こそが、「普通の花火大会の一番の楽しみ方」ではないかと思っています。

その中でも何か挙げるのであれば、有料観覧席での観覧をお勧めします。花火大会の迫力は花火からの距離が大きく影響しますが、有料観覧席であれば開始直前に行っても最前列で観ることができ、椅子などが用意されている場合も多いです。また、近年よく観られるようになった、音楽と合わせて打上げられる花火「ミュージックスターマイン」用のスピーカーが近く、より迫力のある花火大会を楽しむことができます。

競技大会は審査員になったつもりで楽しもう!

競技大会でも、基本的には普通の花火大会と楽しみ方は同じです。普通に観ても十分に楽しめますので、お気軽に競技大会にもいらしてみてください。

加えて、花火の予備知識があるとさらに楽しく観覧することができます。花火に造詣の深い人たちは、「色が何段階で変化した」や、「今の花火は明るかった」など、蘊蓄を垂れながら観たり、贔屓の花火業者の順番を待ち望んだりしています。競技大会を観覧する時は、ぜひ審査員のつもりになって臨んでみて下さい。

ちょっとした空き時間で楽しめる!加藤煙火チャンネル